雪解けのあと

暗闇は光を際立たせる。光は雪解けを誘う――

監督:ルオ・イシャン(羅苡珊) プロデューサー:チェン・ヨンシュアン、ジュオ・ヅーラン、ルオ・イシャン 共同プロデューサー:藤岡朝子、チェン・ウェンウェン 編集:リン・ワンユー 撮影:ルオ・イシャン、ツァイ・ウェイロン 録音:ポン・イエション 原題:雪水消融的季節After the Snowmelt
2024 / 台湾、日本 /中国語/ 110分
字幕:中山大樹 協力:山形ドキュメンタリー道場 企画・提供:ドキュメンタリー・ドリームセンター 配給協力:ノンデライコ 配給:テレザ
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「この人生、感謝しているよ――」 そう書き遺して親友は山で死んだ。大切な者の死を受け入れてゆくための、長い旅路と祈りの記録

2017年4月26日、ネパールの山岳地帯で47日間にわたり遭難していた二人が発見された。一人は救助され、一人は発見されるわずか3日前に亡くなっていた。そのニュースは彼らの出身である台湾でセンセーショナルに報じられた。亡くなったチュンと、生き残ったユエ。本作の監督であるルオ・イシャンは本来なら二人と同行する予定だったが、体調を崩し離脱していた。高校時代からの親友で、憧れの存在でもあったチュンの死。チュンは40日を超す想像しがたい洞窟でのビバークで、イシャンへの手紙や人生に対する賛歌を数百ページにもわたって書き記していた。その記録は、残されたイシャンと、そして生きのびたユエを苦しめ、しかし次に踏み出すそれぞれの道へと促した。ユエは次第に身を引き、イシャンはひとり、チュンの見た風景と足跡を追うためにネパールに旅立つのだった――。

台湾の新しい才能が描く喪失と再生の鎮魂歌
世界各地の映画祭で静かな感動
愛する人の死を悼む、すべての人へ――


2017年の事故から7年後に本作は完成し、世界各地の映画祭で深い感動を呼んだ。スイスのヴィジョン・デュ・レールでは「ルオ・イシャンは、揺るぎない誠実さをもって、自身の内なる旅路と感情の波乱を冷静で鋭い眼差しでたどっていく」「美しくありながらも胸をえぐるような痛みを伴う映画。深い喪失へのオマージュ」と絶賛。イタリアのトレント山岳映画祭、サンフランシスコのLGBTQ+映画祭を含む名門映画祭でも喝采を浴び、ジェンダーと山をテーマにした本作のユニークな存在が実証された。
本国・台湾では2024年に公開、インディペンデント・ドキュメンタリーにもかかわらず口コミで広がり、中華圏を代表する映画賞の金馬奨にもノミネート。チュンが残したメモや手紙、詩をまとめた書籍『我所告訴你關於那座山的一切』と合わせて、人を愛すること、その人の死を悼むことを描いた本作に、若者層を中心に静かな感動と共感が拡がっていった。

上映スケジュール
7/26(土)・27(日) 14:25
7/28(月)〜8/1(金) 16:35
8/2(土)〜8(金) 時間調整中
8/8で終了予定
料金
一般1,900円
シニア1,300円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,100円
★入場システム、サービスデー・その他割引