クルージング
『エクソシスト』『恐怖の報酬』の巨匠ウィリアム・フリードキンが全米を震撼させた大問題作
出演 アル・パチーノ、ポール・ソルヴィーノ、カレン・アレン、リチャード・コックス、ドン・スカルディーノ、ジョー・スピネル、ジェイ・アコヴォーネ、ジーン・デイヴィス、ランディ・ジャーゲンセン、バートン・ヘイマン、ソニー・グロッソ、ジェームズ・レマー、パワーズ・ブース
脚本・監督 ウィリアム・フリードキン
製作 ジェリー・ワイントローブ
原作 ジェラルド・ウォーカー
撮影監督 ジェームズ・コントナー
美術デザイナー ブルース・ワイントローブ
美術監督 エドワード・ピッソーニ
衣装デザイナー ロバート・デモーラ
編集 バド・スミス
音楽 ジャック・ニッチェ
1980 年|アメリカ|カラー|ヴィスタサイズ|DCP|102分
キングレコード提供 コピアポア・フィルム配給
© 2024 WBEI
全国共通券1,600円にて劇場窓口で公開前日まで販売
★特典チラシ付き
サディズムとマゾヒズムが渦巻く男だけの《聖域》、
潜入捜査官はそこで何を見るのかー。
『フレンチ・コネクション』(1971)でアカデミー賞・作品賞と監督賞を受賞。続く『エクソシスト』(1973)の世界的ヒットでオカルト・ブームを巻き起こした巨匠ウィリアム・フリードキン。長きにわたり失敗作と見なされていた『恐怖の報酬』(1977)は、ここ 10 年で評価が逆転し、今や各国で傑作と讃えられている。それから3年、主演に当時のトップスター、アル・パチーノを迎え、フリードキンが放ったさらなる野心作にして 80年代アメリカ映画史上屈指の問題作が『クルージング』(1980)だ。
1973年から79年にかけ、ニューヨークで実際に発生した猟奇連続殺人事件。ゲイの男たちが惨殺され、バラバラにされた死体の一部はビニール袋に入れられ、ハドソン川に投げ捨てられていた。被害者たちの多くは、男同士が毎夜ハードなセックスを求めて集う SM クラブに出入りしていた。事件に興味を抱いたフリードキンをさらに驚かせたのが、容疑者として逮捕された男が、『エクソシスト』に出演していた放射線科の看護師だったことだった。その容疑者への面会体験、NY市警にいた友人のゲイ・コミュニティ潜入捜査談、さらに自ら足を運んで目撃した、想像を絶する SM クラブ内の狂態を脚本に盛り込み、フリードキンは、NY アンダーグラウンドのゲイ・カルチャーを背景にした、かつてないクライム・サスペンスを完成させた。
結果的にハリウッド映画史上初めて男同士の SMセックスを正面から描いてしまったこの作品は、同性愛者差別を助長するとして製作発表時から公開後まで、全米各地で猛烈な抗議活動を受け続けた。その結果、批評、興行ともに振るわず、今世紀に入るまで長らく語る者も稀だった。だが近年、『パルプ・フィクション』のクエンティン・タランティーノ、『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン、『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマら名監督たちが本作をフェイバリットに挙げているだけでなく、世界各国のクィア映画祭では、HIV ウイルスが世界に蔓延する前のゲイ・カルチャーを記録した貴重な作品として再上映/再評価される機会が増えている。
『クルージング』は、後の『羊たちの沈黙』や『セブン』などに先駆けた、80 年代サイコ・サスペンスの重要作であるだけでなく、SMゲイ・カルチャーの洗礼を受けて揺らぐ男の性的アイデンティティと精神の闇に迫った、今なお先鋭的な野心作だ。性の多様性が謳われる 21世紀の日本で、この作品はどのように受け止められるだろうか。
11/9(土)・10(日) | 15:25 | ||
11/11(月)~15(金) | 14:55 | ||
11/16(土) | 20:05 | ||
11/17(日) | 15:00 | ||
11/18(月)~22(金) | 16:55 | ||
11/22で終了 |
一般 | 1,900円 |
シニア | 1,300円 |
専門・大学生 | 1,000円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,100円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |