倭文(しづり)-旅するカジの木

北村皆雄監督が〈衣服〉の始源を求めて遥か海上の道を遡り台湾・インドネシア・パプアニューギニアへ
日本神話に現れる幻の織物〈倭文(しづり)〉。その白さは光の象徴とされ、邪悪なものを祓い、身体を護る神聖な力を持っていた。

語り:冨永愛/神話出演:麿赤兒+大駱駝艦、コムアイ/倭文制作:山口源兵衛、石川文江、西川はるえ、妹尾直子/デザイン:杉浦康平、新保韻香

2024年│119分│日本│カラー│16:9│ステレオ│DCP

〈撮影〉明石太郎+戸谷健吾+北村皆雄+門馬一平+Andi Arfan Sabran+小谷野貴樹+藤田岳夫 〈照明〉小西俊雄 〈音響・整音〉斎藤恒夫 〈音楽〉渥美幸裕 〈音楽デザイン〉神 央 〈編集〉田中藍子+戸谷健吾 〈EED〉和田修平 〈監督助手〉髙橋由佳 〈CG〉山田みどり 〈デスク〉渡邉有子+山上亜紀 〈劇場公開進行〉遠藤協 〈宣伝協力〉プレイタイム 〈学術協力〉河野徳𠮷+小林良生+小野林太郎+鈴木三男+福本繁樹+坂本勇 〈DNA鑑定〉静岡大学農学部応用生命科学科 グリーン科学技術研究所 本橋令子 山梨大学総合分析実験センター 瀬川高弘 〈撮影協力〉台湾中央研究院+台湾史前文化博物館+The National Museum and Art Gallery of Papua New Guinea+Central Sulawesi State Museum in Palu
〈監督〉北村皆雄 〈制作〉三浦庸子 〈製作・配給〉ヴィジュアルフォークロア 公式サイト

〈倭文〉の力の源はどこにあったのか。

謎を解く鍵は、衣服の始源を担った「カジの木」が握る。中国南部を原産とするその木のルーツを遡り、台湾、インドネシアのスラウェシ島、南太平洋パプアニューギニアへ。さらに日本各地に倭文の痕跡を求めると、古代国家の重要な謎が明らかになっていく。
現代の織物作家たちは〈倭文〉の創造的復元に挑む。
古代の日本人が衣服に込めた力を探る知的好奇心に溢れたドキュメンタリー。

映像民俗学を標榜する北村皆雄監督が5年の歳月をかけて完成。大駱駝艦を主宰する麿赤兒とアーティストのコムアイが謎めいた日本神話を再現する重要なシーンに登場。モデルの冨永愛が〈語り〉を務めた。作中の文字デザインとポスターヴィジュアルをグラフィックデザインの巨匠・杉浦康平と新保韻香が手がける。

北村皆雄監督傑作選「聖なる俗 俗なる聖」7/13(土)より当館にて公開決定!

「神の島」と呼ばれ、琉球王朝最大の聖地とされる久高島で12年に一度行われる儀式「イザイホー」を映した幻想映画『カベールの馬』(1969)、西表島の最果てのムラの在来信仰と移住者との軋轢を赤裸々に描いた『アカマタの歌』(1973)。北村皆雄は日本とアジアの「辺縁」に赴き、そこに生きる人間の生きざまを映像に焼き付けてきた。障害を持ちながら自らの身体を芸にして世間を生き抜く見世物一座を記録した『見世物小屋』(1997)。放浪の俳人・井上井月の謎めいた生涯を辿る『ほかいびと』(2011)。あの世での幸福を願って死者の霊同士を結婚させる韓国漁村の習俗を濃密に記録した『冥界婚』(2016)。アイヌ長老の入魂の祈りを目撃した『チロンヌㇷ゚カムイ イオマンテ』(2021)。1970年代から「映像民俗学」を標榜する北村は、時にフィクションとドキュメンタリーを駆使しながら、虚実のあいだに現れる「聖と俗」をまるごと捉えようとしてきたのだ。最新作『倭文(しづり) 旅するカジの木』(2024)の公開を記念して、前衛的映画作家、ドキュメンタリー映画監督、テレビディレクター、冒険家、映像民俗学者と多様な顔をのぞかせる北村皆雄の60年の映画制作をふりかえる傑作選を開催する。早大在学中に前衛美術集団「ハイレッドセンター」の作品を取り入れて制作した処女作『白い影への対話』(1964)、即興による演出が光るテレビ番組『津軽じょんがら女考―青森―』(1976)を特別上映。 公式サイト

舞 台 挨 拶
6/8(土)10:00の回上映後
登壇者|北村皆雄 監督、石川文江さん(本作出演、楮布織)

- 開催終了しました -

上映期間
2024/6/8(土)~21(金)

- 上映終了しました -

料金
一般1,900円
シニア1,300円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,100円
★入場システム、サービスデー・その他割引