〈バック・トゥ・ザ・ナナゲイ2021〉
百円の恋 / 海炭市叙景 (35mm)
呆れる程に、痛かった。
32歳の一子(安藤サクラ)は実家にひきこもり、自堕落な日々を送っていた。
ある日離婚し、子連れで実家に帰ってきた妹の二三子と同居をはじめるが折り合いが悪くなり、しょうがなく家を出て一人暮らしを始める。夜な夜な買い食いしていた百円ショップで深夜労働にありつくが、そこは底辺の人間たちの巣窟だった。
心に問題を抱えた店員たちとの生活を送る一子は、帰り道にあるボクシングジムで、一人でストイックに練習するボクサー・狩野(新井浩文)を覗き見することが唯一の楽しみとなっていた。
ある夜、そのボクサー・狩野が百円ショップに客としてやってくる。狩野がバナナを忘れていったことをきっかけに2人の距離は縮めていく。なんとなく一緒に住み始め、体を重ねるうちに、一子の中で何かが変わり始める―――。
わたしたちは、あの場所に戻るのだ。
その冬、海炭市では、造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめ、初日の出を見るために山に昇ったのです…。
プラネタリウムで働く男は妻の裏切りに傷つき、燃料店の若社長は苛立ちを抑えきれず、父と折り合いの悪い息子は帰郷しても父と会おうとせず、立退きを迫られた老婆の猫はある日姿を消したのです…。
どれも小さな、そして、どこにでもあるような出来事です。
そんな人々の間を路面電車は走り、その上に雪が降り積もります。
誰もが、失ってしまったものの大きさを感じながら、後悔したり、涙したり、それでも生きていかなければならないのです。
海炭市でおきたその冬の出来事は、わたしたちの物語なのかもしれません。
2021/2/20(土)~2021/2/26(金) |
- 上映は終了しました -
一般 | 1,500円 |
シニア | 1,100円 |
専門・大学生 | 1,200円 |
中学生・高校生 | 1,000円 |
小学生以下 | 700円 |
会員 | 1,000円 |
★入場システム、サービスデー・その他割引 |
※サービスデー適用外、その他の劇場規定の割引はあり
★劇場招待券、サポート鑑賞券、ミニシアターエイド未来チケットなど使用可