過去負う者

2023年 / 日本 / 125分 / BIG RIVER FILMS 配給 / 公式サイト

監督舩橋 淳

出演辻井 拓、久保寺淳、田口善央、紀那きりこ、峰あんり、満園雄太、みやたに、伊藤 恵、小林なるみ、平井早紀

再生のために刑務所に入ったにもかかわらず、なぜ再び犯罪を犯してしまうのか?
日本の刑務所満期出所者が5年以内に再犯し、再び入所する確率は約50%。「世界一安全な国」を標榜しながら、一体、なぜ出所者は再び罪を犯してしまうのか?背景には、再入所者の7割が無職だったという事実が示すように、元受刑者は「就労」がしづらいという大きな問題が横たわる。単にお金を稼ぎ、安定した住居を得るというだけでなく、他人から認められる意味でも社会復帰に重要とされている就労の問題は、数多ある映画の中でも、これまで大きく取り上げられることはなかった。

本作は、受刑者の採用を支援している実在の就職情報誌の活動にヒントを得て制作された劇映画である。監督は劇映画からドキュメンタリーまで幅広く手がける舩橋淳。実際のセクハラ事件に基づいて役者との即興劇で描いた前作『ある職場』(2022)と同様、自らプロデューサーも務め、前作とほぼ同じキャスト・スタッフで、前科者の社会復帰に横たわる問題を描いた。その先に見据えるのは、社会の不寛容が新たな犯罪を生んでしまう悪循環を変えたいという想い。あえて台本は用意せず、現場で俳優と演技を煮詰めてゆく「ドキュメンタリーXドラマ」の演出手法は、観るものに震えるようなリアリティをもたらすだろう。

ある職場 <アンコール上映>
-上映終了しました-

それぞれの善意、思惑、そして悪意― ある職場の風景から見えてくる日本社会の歪み 本作は、実在したセクシャル・ハラスメント事件に基づき、その後日談として創作されたフィクションである。リサーチしていくなかで、密室で起こったハラスメント事件の当事者が、セクハラそのものの辛さに加え、その後、職場組織の中で、どう生きてゆくのか、周囲との関係が本当に辛いと言う声を聞いたのが制作の始まりだった。当初はドキュメンタリー映画として映画化を考えたが、実在の人間を映すと、個人名や職場を特定される恐れもあり制作は困難と判断。改めてフィクションとして再構成することになった。
シナリオは無く舞台設定だけ与えられた俳優たちが、即興に近い演技で演じているのも本作の見どころのひとつだ。言いよどみや、リアルな会話のぎこちなさは、まるで観ているものが実際にその場に立ち会っているような感覚を与える。 それぞれの善意、思惑、そして悪意。日本社会に蔓延する同調圧力の空気は、いつしか無意識の悪意のかたまりとなり、二次加害、三次加害と更に増幅していき被害者を益々孤立させていく。それはどこにでもある「ある職場」の風景なのかもしれない。 わたしたちはどのように、その加害と向き合えばよいのか? ジェンダーギャップ、ハラスメント問題が日常的に取り沙汰される昨今。本作は、今後の日本社会への大いなる警鐘と言えるだろう。

2020年 / 日本 / 135分 / 配給・宣伝 BIG RIVER FILMS
監督・脚本・撮影・録音・編集 舩橋淳 / 出演 平井早紀、伊藤恵、山中隆史、田口善央
公式サイト

トークショー
日 時|12/23(土)14:20の回上映後
登壇者|泉 房穂さん(前明石市長)、舩橋 淳 監督、 みやたにさん(本作キャスト)

- 開催終了しました -

舞台挨拶
日 時|12/29(金) 10:00の回上映後
登壇者|平井早紀さん(俳優、本作キャスト)

- 開催終了しました -

WEBチケットについて
上映期間
2023/11/11(土)~2023/11/23(木祝)・12/23(土)~12/29(金)

- 上映は終了しました -

料金
一般1,900円
シニア1,300円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,100円
★入場システム、サービスデー・その他割引