スーパー銭湯に流れる「二つの時間」
あの時の記憶がよみがえる
スーパー銭湯が舞台で、コロナ禍で様変わりした日常を描く本作。 人々に拠り所を与え、心と体を癒やしてくれるスーパー銭湯だが、コロナの影響で閉店になり、 役割を果たせなくなる。しかし、清掃(スタッフ)という立場を通して、 今一度、空間に触れ、綺麗にしていくことでまるで空間が生きているような… 生まれ変わる瞬間を描き、演出・脚本面ともに高い評価を受けた。
第8回京都国際映画祭入選・優秀賞、第32回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭入選。
監督は、フジテレビ報道番組「Live News α」のディレクターとしても活躍。当時、ADだった時に監督・プロデュースを務め、報道の世界で培った経験が作品に反映されている。新鋭・堀川湧気監督がスーパー銭湯を舞台に喪失と再生の二つの時間を描く-
スーパー銭湯の新人清掃員として働く市川亮太(20)は仕事を通し、“当たり前の景色を保つこと“の難しさを知っていく。
髪の毛1本でも気にする仕事の姿勢や、心臓部でもある「ろ過装置」の存在を知ることによって、清掃業の世界にのめり込んでいく。次第に、スーパー銭湯を物として捉えるのではなく、生き物であると捉えるようになる。
そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、スーパー銭湯は休業を余儀なくされる。 休業の間、清掃作業からも遠ざかり、客を向かい入れていた“当たり前の景色“は失われていった。 休業期間が長引く中、店長から1通のメールが届く。
それは営業再開に踏み切ることなく、スーパー銭湯の閉店を知らせるものであった。 メールを通し、閉店を知った亮太は、大きな喪失感を露わにしていく。 清掃員たちは各々の形で、スーパー銭湯の最期に向き合うことになる。
休業期間の浴場施設に足を踏み入れた亮太は、黒カビが生えた浴室を見て、「休業中もこの空間は生きていた」と改めて実感する。 閉店を前に、亮太と清掃員たちの最期の清掃作業が始まっていく。
トークショー
日 時|5/13(土)15:55の回 上映後
登壇者|堀川湧気 監督
- 開催終了しました -
上映期間
2023/5/13(土)~2023/5/19(金) |
- 上映は終了しました -