うつろいの時をまとう

2022年 / 日本 / 96分 / グループ現代 配給

監督三宅流

プロデューサー藤田功一

撮影加藤孝信

公式サイトhttps://tokiwomatohu.com/

全国共通券1,500円【公開前日まで劇場窓口にて販売】

風景に心をよせる。言葉を見つける。
そして、服が生まれる。
見慣れた世界が変わっていく── 
服飾デザイナーの創作の記録。

日本の美意識をコンセプトに独自のスタイルを発信し続けている服飾ブランドmatohuまとふ。本作は、デザイナー堀畑裕之と関口真希子の視点や哲学を通して、日常の中に潜む美や豊かさを再発見していくドキュメンタリー。コンクリートの壁のしみ、日が昇る前の早朝に空を見上げた時に見える無数の色のグラデーション、冬枯れの中、ビルの壁や歩道橋の階段に吹き寄せられた色とりどりの落葉たち……matohuは、日常の身近な風景や物に目を向け、そこから得たインスピレーションを“ことば”に変えて服に昇華していく。たった一つの“ことば”を経て、形となって現れた服は、着る者たちの想像力をかきたてる。二人の創作から見えてくるのは、日本人が長い歴史の中で育んできた“ものの見方”であり、普段は見過ごしてしまいがちな美を見つける視点だ。

matohuには「纏う」という意味と、「待とう」という意味が込められている。服を纏うということに対する根源的な問いと、消費のスピードの早い時代に対して時間の熟成を待ちましょうという提案でもある。日本全国に点在する機屋や工房に注目し、資本主義原理の中で維持していくのが困難な職人の手仕事や伝統技術からテキスタイルを作り、真の意味での持続可能性を目指す彼らのものづくりを5年の歳月をかけて丹念に追った。

監督は、『躍る旅人─能楽師・津村禮次郎の肖像』など、伝統芸能をテーマにコミュニケーションと身体のありようを描き続けてきた三宅流。大量消費、情報過多の時代に、本当に大切なことは何かを問い、気鋭の服飾デザイナーのクリエーションを通して、日常の身近な気づきに出会う旅へ──。驚きと発見に満ちたアートドキュメンタリーが誕生した。

風景に心をよせる。
服が、生まれる。

2020年1月。東京・青山のスパイラルホールで、服飾ブランドmatohuの8年間のコレクションをまとめた展覧会『日本の眼』が開催された。matohuは“日本の眼”というタイトルのもと、「かさね」「ふきよせ」「なごり」など日本古来の洗練された美意識を表す言葉をテーマに2010年から2018年までの各シーズン、全17章のコレクションを発表してきた。デザイナーの堀畑裕之は大学でドイツ哲学を、関口真希子は法律を学んでいたが手仕事や服作りへの思いからファッションの世界に飛び込む。堀畑はコム デ ギャルソン、関口はヨウジヤマモトでパタンナーとしてキャリアを積む。そして2005年にブランド「matohu」を立ち上げ、彼らは“長着”という独自のアイテムを考案した。着物の着心地や着方の自由さから着想を得ながら、今の生活に合わせた形で作り出されたモダンなデザインの服である。

2018年、matohuは『日本の眼』最後のテーマとなる「なごり」コレクションの制作に取りかかり、伝統的な技術を持つ機屋や工房と協業しつつ、テキスタイルを作り上げていく。堀畑と関口はアトリエで激しい議論を繰り返しながら妥協することなくデザインを完成させ、そしてファッションショーの日を迎える。

トークショー
日 時|4/22(土) 14:35の回 上映後
登壇者|吉岡更紗さん(染織家・染司よしおか六代目)、三宅流 監督
WEBチケットについて
上映スケジュール
4/22(土)~28(金) 14:35
4/22 上映後トーク
4/29(土)~5/5(金祝) 12:15
4/30・5/4 は「バリアフリー日本語字幕付き」上映
5/5で終了
料金
一般1,800円
シニア1,200円
専門・大学生1,000円
中学生・高校生1,000円
小学生以下700円
会員1,000円
★入場システム、サービスデー・その他割引