日本人は「春画」を知らない――
「世界が、先に驚いた。」 あの春画展から4年
驚きの内幕を描くドキュメンタリー
イギリスで高い評価を受けた大英博物館春画展の巡回展の実現が滞っていると耳にし「なぜだろうと」感じたことが映画制作のきっかけでした。取材を通して、研究者たちが評価する芸術性に優れた春画には、肉体を立体的に描写する線の力、人肌や着物などの鮮やかな色彩と光沢を表現する技術、そして江戸の浮世絵師たちの卓越した世界観や構図感覚があり、今も私たちを感動させる力をもっていると感じました。
こうした春画の価値をいち早く発見して、守り育てた人たちの知られざる努力を伝えたいと思いました。この映画で『展覧会の自由』『売買の自由』『研究の自由』『出版の自由』4つの自由を守るための戦いに挑んだ人たちの姿を描きました。
もともと研究・教育目的の自主上映会向けに製作した本作が、劇場公開されることとなり、とてもうれしく思います。映画製作にご協力いただいた方々、長時間のインタビューに答えてくださった研究者の方々、関係者に心より感謝しています。
本作品では、日本を代表する研究者たちによって芸術性が高いと評価された春画(日文研のコレクションなど)を、歴史資料として無修正で紹介しています。永青文庫春画展では「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に鑑み、性的表現に配慮して18歳未満入場禁止としました。それに倣い、本作の劇場公開も18歳未満入場禁止とします。
現在、テレビ放送では、無修正の春画は放送コードに反するため、ぼかしをかける、トリミングをする、などの工夫をして春画を紹介しています。国際浮世絵学会会長の小林忠氏は、本作品のなかで「ぼかしなどの修正をかけることは、絵師の意図を損ねることになり、春画を観賞する姿勢としては望ましくなく、その歴史的・美術的な価値を正しく理解することにつながらない」と語っています。本作品の主旨からすると、テレビでの放送のために、ぼかし、トリミングをかけることはできません。したがって、テレビでの放送の可能性はありません。DVD販売の可能性もありません。
当然ながら、本作は社会通念上問題を生じうる映画ではありませんが、ロードショー公開館のポレポレ東中野では上記の自主ルールに則って上映することを決めました。こうした自主ルールを徹底することで「青少年の観覧への配慮」「観客の観る自由の保障」の両者が実現されると考えています。
舞台挨拶
10/26(土)14:30の回 上映後舞台挨拶
登壇予定者:大墻敦監督、石上阿希さん(国際日本文化研究センター特任助教・本作出演)
- 開催終了しました -
公開記念トーク&サイン会
11/4(月祝)12:15の回上映後 開催予定
登壇予定者:会田薫さん(漫画家)
関西公開を記念して、漫画家・会田薫さんによるトークイベントとサイン会の開催も決定。〈天才浮世絵師・写楽の娘たまきが春画を描く〉『写楽心中 少女の春画は江戸に咲く』を連載中の会田さんから、江戸の神絵師たちの人間像や、超絶表現を次々と生み出した春画の魅力について伺います。
<会田薫 プロフィール>
京都府在住の漫画家。現在、秋田書店 月刊ミステリーボニータにて「写楽心中 少女の春画は江戸に咲く」を連載中。「梅鴬撩乱」「恋する仏像」「疼く春」(いずれも講談社刊)など代表作多数。
<『写楽心中』あらすじ>
天才浮世絵師・写楽の娘のたまきは十五歳。版元でもある養父から、春画を描くため、幼なじみに抱かれておいでと命じられ…!? 天才ひしめく江戸浮世絵界に、少女絵師の恋の花ひらく!コミックス第1巻好評発売中。
- 開催終了しました -
「春画展」割引 実施!
永青文庫(東京)および細見美術館(京都)にて開催された春画展に行ったことが証明できるもの(チケット、図録、会場で撮影した写真、当時感想を投稿したSNSなど)を劇場窓口でご提示で、前売料金1,400円でご鑑賞いただけます。
女性専用シートあります!
映画「春画と日本人」は、春画の芸術性の高さ、彫りや摺りの素晴らしさについても紹介する映画です。これまでなかなか春画を目にする機会の少なかった女性にもゆったりご鑑賞いただきたいと考え、劇場内後方に「女性専用シート」を設けることにしました。江戸時代より、時に縁起物として、時に豊穣のおまじないとして、男女問わず楽しんできた春画の奥行きをどうぞご鑑賞ください。
※10/28(月)以降となります。
上映日
2019/10/26(土)~11/15(金) |
- 上映は終了しました -
料金
一般 | 1,800円 |
シニア | 1,100円 |
専門・大学生 | 1,500円 |
会員 | 1000円 |