特集:映像 × 民俗(ヴィジュアル・フォークロア)
【第2期】
日本とアジアを現場(フィールド)に 民俗の諸相を記録し続けて来た
映像制作者集団 ヴィジュアルフォークロア
この世界の、謎めいた豊かさを目撃する秘蔵の民俗ドキュメンタリーを月替わりで上映
【ヴィジュアルフォークロア】
1981年創立。日本とアジアを中心に民俗文化の世界の映像化を行なっている。代表の北村皆雄は、目に映ずるものと耳に聞こえる音や言葉を記録することによって、その土地に生きる人たちの内的なものを浮かび上がらせる映像民俗学の世界を追ってきた。
定期上映の開催にあたって
映画監督・ヴィジュアルフォークロア代表 北村皆雄

24歳の時に、沖縄久高島と出会ってから50年間、映像によって民俗の世界を追ってきた。日本とアジア地域の神事、秘祭、芸能、宗教、民俗、歴史の記録をして、すでに消えてしまったものも多い。
今回、ヴィジュアルフォークロアの仲間たちと共に民俗の古層に潜りカメラを向け続けてきた作品が、観客の心に少しでも届いてくれたら、それ以上の喜びはない。
【第2期】
『廻り神楽』(2017年)
『海の産屋 雄勝法印神楽』(2018年)
『ほかいびと〜伊那の井月〜』(2011年)
『金子兜太 故郷・人生・井月を語る』(2016年)
『上伊那の祭りと行事30選』(2013年)
『チヌリクラン』(2006年)
『アラヨ』(2006年)
『南島残照 女たちの針突(ハジチ)〜沖縄・宮古諸島のイレズミ〜』(2014年)
『南島残照〜台湾原住民族のイレズミ〜』(2014年)
【料金・チケット】
一般:1,500円
専門・大学生:1,200円
シニア:1,100円
中学・高校生:1,000円
小学生以下:700円
会員料金:1,000円
会員料金について
上映館…第七藝術劇場(6階)・シアターセブン(5階)
それぞれ各館の会員のみ割引となります。
(ナナゲイ会員はナナゲイでのみ1,000円、セブン会員はセブンでのみ1,000円)
★お得な3回券
「映像×民俗」3回券:3,600円
(「映像×民俗」上映期間中に使用できます。上映期間中に窓口にて販売いたします)
※複数名でのご利用不可。ご本人様のみご利用いただけます。

第1講 災害から立ち上がる芸能
2019年 3月23日(土)〜29日(金)
廻り神楽
(2017年/94分/カラー/16:9)
第73回毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞
2017年キネマ旬報文化映画ベスト・テン

岩手県宮古市に根拠地をもつ黒森神楽は、江戸の初期から340年以上、三陸海岸の久慈・釜石間150qを巡り続けて来た。
正月になると神楽衆は、黒森山の神霊を宿した権現様と旅に出る。民家を一夜の宿として、神楽を演じ、亡き人には神楽念仏を唱える。繰り返し津波が襲って来たこの地で、神楽衆は何百年ものあいだ、自然と人間を取り結ぶ役目を果たしてきた。
ザシキワラシやオシラサマ、神々や精霊が今も息づく豊かな三陸の海辺を巡る神楽衆。その通い路に「海の遠野物語」が紡がれる。被災から6年後の人々の願いを描くドキュメンタリー。

【監督・プロデューサー】遠藤協
【監督】大澤未来
【構成】北村皆雄・遠藤協
【撮影】明石太郎・戸谷健吾
【出演】黒森神楽保存会
【語り】一城みゆ希
【昔話朗読】森田美樹子
海の産屋 雄勝法印神楽
(2018年/2012年撮影/77分/16:9)
「海のほとりには、常に生と死、悲しみと悦びの二つの世界が波打っています。」(酒井卯作/民俗学者)
宮城県雄勝半島、石巻市の漁村立浜(たちはま)は、東日本大震災の大津波で46軒中1戸だけを残し被災した。その絶望の淵から立ち上がったのは、村に残ることを決めた12人の漁師たち。
「いっさい、いっさい、海を恨んでいねぇ」と、男たちは生活の再建とともに祭りの復興に乗り出した。流出した一切の神楽面と祭具を作り直し、何もない海辺の居住地跡に柱を立て、舞台を作る。
神楽に憑かれた"好き神"を自称する漁師が祈りの神楽を舞い、二人の太鼓打ちが息を合わせ600 年前と変わらぬリズムを刻む。産屋の庭に神楽が舞い遊び、笛・太鼓の音が、命の誕生を告げる産声のように響く。海辺に立てられた舞台、それは新しい命を再生し、力強く鼓動させてくれる産屋となったのだ。津波から1年後、人々を勇気づけ絆を取り結ぶ芸能の底力を描いたドキュメンタリー。

【監督】北村皆雄・戸谷健吾
【撮影】山田武典・東野良
【出演】雄勝法印神楽保存会
【語り】寺尾聡
上映スケジュール
第1講 災害から立ち上がる芸能
3/23(土)〜29(金) 13:40〜 廻り神楽 シアターセブン(5階)
16:00〜 海の産屋 シアターセブン(5階)
【レクチャー 】
★3/23(土)『廻り神楽』13:40の回上映後
 登壇予定者:遠藤協監督
★3/23(土)『海の産屋』16:00の回上映後
 登壇予定者:戸谷健吾監督

第2講 放浪と反骨の俳人たち
2019年 4月20日(土)〜26日(金)
ほかいびと〜伊那の井月〜
(2011年/119分/カラー/16:9)
「芥川龍之介に見いだされ、山頭火に慕われ、つげ義春が漫画に描いた井月」
「信州の北の一茶、南の井月」といわれ、芥川龍之介や種田山頭火、金子兜太らが高く評価した放浪の俳人・井上井月(いのうえせいげつ)。井月は、幕末から明治にかけて30年間、信州伊那谷を放浪し、一宿一飯のお礼に俳句を残した。やがて野垂れ死に同然に死ぬ。1800の俳句と聞き書きから浮かび上がるその謎めいた生涯を、ドキュメンタリー&フィクションの手法で描く。舞踊家・田中泯がその境涯を追体験しながら演じ、語りは昨年逝去した女優・樹木希林が務めた。

【監督・脚本】北村皆雄
【撮影】高橋愼二・金沢裕司・明石太郎・北村皆雄
【翻訳】李惠燕
【主演】田中泯
【語り】樹木希林
上伊那の祭りと行事30選
(2012年/63分/カラー/16:9)
幕末明治の放浪の俳人・井上井月が30年に渡って放浪した信州伊那谷。南アルプスと中央アルプスに挟まれた広大な盆地には古からの様々な文化が今も息づく。伊那の研究者・郷土史家と協力して、これまでほとんど知られることのなかった伝統祭事30を選び出し、5年の歳月をかけて撮影。井月もきっと見た、上伊那の祭りと行事の映像記録決定版。

【監督】北村皆雄
【撮影】北村皆雄・櫻庭美保・高橋愼二・金沢裕司・三浦庸子・神央・熊谷友幸
【ナレーター】山田誠浩
金子兜太 故郷・人生・井月を語る
(2016年/25分/カラー/16:9)
俳句界に常に新風を吹き込み、2018年2月に98歳で亡くなった俳人金子兜太。死の2年前、ふるさと秩父へ誕生日祝いに向かう汽車の中で、自らの人生を語った。父母のこと、秩父の風土、エロ歌、困民党のこと、戦争のこと、一茶や山頭火、放浪の俳人井月のことなど。この映画は兜太自身が語った人生の一大絵巻である。自らのエポックメーキングとなった俳句の代表作をこの映画のために万年筆で書いてくれた。

【監督・制作】北村皆雄
【撮影】戸谷健吾・北村皆雄
【出演】金子兜太
上映スケジュール
第2講 放浪と反骨の俳人たち
4/20(土)〜26(金) 12:20〜 ほかいびと 第七藝術劇場(6階)
15:20〜 『上伊那の祭りと行事30選』+
『金子兜太 故郷・人生・井月を語る』
シアターセブン(5階)
【レクチャー】
★4/20(土)『ほかいびと』上映後
 登壇予定者:田中泯さん(本作出演・舞踊家)、山口源兵衛さん(帯匠・衣装)、北村皆雄監督

第3講 南島文化の栄光
2019年 5月18日(土)〜24日(金)
チヌリクラン〜黒潮の民ヤミ族の船〜
(2006年/93分/カラー/16:9)
「戦前の民族学者が憧憬した、世界一美しい船をつくる人々の物語」
台湾の東南海岸沖にある蘭嶼(らんしょ)には、ヤミ(タオ)族が暮らしている。この島では代々「チヌリクラン」という手漕ぎの10人乗りの船が造られてきた。世界で一番美しいといわれる伝統のトビウオ漁船だ。祖先はこの船でフィリピンのバタン諸島からやってきたと伝えられている。
島のイモロド村で27年ぶりにチヌリクランが造られることになった。その船材の伐り出しから、船体づくり、伝統模様の彫刻をほどこすまで丹念に追い、さらに続く進水式の儀礼と処女航海、そしてトビウオの初漁までを一年にわたって記録した。映画は、船長の座をめぐって2人の男が競い合う様子、男たちの伝統的な夜を徹した歌会なども捉えており、チヌリクランにからむ人間ドラマから、蘭嶼の現状が見えてくる。

【監督】アンドル・リモンド
【撮影】後藤一平・金沢裕司・アンドル・リモンド
【制作】北村皆雄・三浦庸子
【別班監督】神央
【語り】小林勝也
アラヨの歌
(2006年/17分/カラー/16:9)
毎年蘭嶼に、トビウオの季節がやってくると、それを追ってアラヨ(シイラ)が回遊してくる。アラヨは「神様の魚」と信じられている。漁解禁の朝、シイラ捕り名人シャプン・マカラシュ(68)は、手作りの小舟で一人沖に漕ぎ出て伝統のシイラ漁にとりかかった。まず活餌のトビウオを捕まえ、舟を漕ぎながら、「アラヨよ、さあ寄ってきてこの釣り針にかかっておくれ、そしたらお礼にこの若い雄鶏をあげよう」と歌いかける。するとアラヨが海面に飛び上がった。水揚げした後、初漁のシイラは伝統にのっとって丁寧に捌かれ、着飾った妻に厳かに迎えられ、誇らし気に漁師の家の干し棚に飾られる。老漁師の語りのみで伝える詩情あふれる短編。

【監督・撮影】アンドル・リモンド
【制作】北村皆雄・三浦庸子
【伝承】シャプン・マカラシュ
南島残照 女たちの針突(ハジチ)〜沖縄・宮古諸島のイレズミ〜
(2014年/64分/カラー/4:3)
沖縄・宮古のおばあたちの手に刻まれたイレズミ〈ハジチ〉。かつて南は与那国島、北は奄美大島・喜界島まで南島女性の象徴として見られたが、明治時代の「文身禁止令」以降、次第に廃れていった。1984年、沖縄本島と宮古諸島にハジチを伝える女性を訪ね歩き、88歳から99歳までの女性22人に自らのハジチについて語ってもらった。激動の世を生きた女たちの人生が、深く刻まれたシワとともに、饒舌な島言葉で語られる。南島のイレズミ文化の消滅直前の貴重な記録である。

【監督】北村皆雄
【撮影】柳瀬裕史・北村皆雄
【監修】名嘉真宜勝
【琉歌】嘉手刈林昌
【わらべ歌】糸満市西崎小学校合唱部
南島残照〜台湾原住民族のイレズミ〜
(2014年/1984年撮影/39分/カラー/4:3)
1980年代、台湾の原住民族9民族のうち主に4民族にイレズミの習俗があった。イレズミは女性にとっては婚姻のできる印、男性にとっては首狩りをして、一人前の男と認められた証しだった。日本の植民地時代(1896-1945)の干渉で首狩りやイレズミの習慣が消えていった。この映像はパイワン族・ルカイ族・タイヤル族・サイシャット族のイレズミを追った貴重な記録である。現在、伝統的なイレズミは見られない。

【監督・撮影】北村皆雄
【監修】山本芳美(都留文科大学教授)
上映スケジュール
第3講 南島文化の栄光
5/18(土)〜24(金) 12:20〜 『チヌリクラン 〜黒潮の民ヤミ族の船〜』
『アラヨの歌』
第七藝術劇場(6階)
15:20〜 『南島残照 女たちの針突(ハジチ)』
『南島残照 〜台湾原住民族のイレズミ〜』
シアターセブン(5階)
【レクチャー】
★5/18(土)『チヌリクラン』『アラヨの歌』上映後
 登壇予定者:アンドル・リモンド監督

【公開予定作品】
秘蔵作品を続々公開!
『アカマタの歌 海南小記序説 西表・古見』(1973 年/84分)
沖縄八重山の秘祭〈アカマタ・クロマタ〉に臨んだ映画クルーが、島民に「撮ったら殺す」と言われて諦める。島に留まったクルーは、この村17 軒の家族の一軒一軒の聞き書きをすることにした。浮かび上がってきた村落社会の複雑な感情、島を去った者が捨てぬアカマタへの思いだった。長年封印されてきた作品を特別上映。

『精霊の山 ハヤマ』(2006 年/100 分)
思想家・中沢新一脚本による意欲作。死者がたたずむ東北各地の低山〈ハヤマ〉の信仰を足がかりに、生ける死者とともに暮らす日本人の心の在り方を描く。地元の研究者千歳栄の思いからこの映画が生まれた。

『デヴォキ〜ヒマラヤ・神に捧げられた女たち』(1992年/47 分)
寺院に捧げられ神と結婚した女性たちは〈デヴォキ〉と呼ばれ、俗世での結婚は許されない。いにしえの寺院娼婦を伝える彼女たちの姿を通して、ネパール社会のタブーに切り込む問題作。

『諏訪の御柱〜平成四壬申年〜』(1992年/60 分)
七年目毎の寅申年に巡りくる御柱祭は、荒ぶる山の大木を里に下ろし、守り神にする壮大な儀式だ。 祭暦の始まりから、一連の神事、行事の全てを3年にわたって記録。世界最大の柱立て祭り"おんばしら"の全容を紹介する決定版。これ以降、諏訪の御柱は変容していった。

『原インドの世界』(1995年/55 分)
インド東西の代表的な先住民、ラトワ(グジャラート州)の儀礼壁画とサンタル(西ベンガル州)の遊行の語り絵師を通して、インド文化の深層を成す原インドの世界観をさぐる。インド風土の根源的な命と出会う。

【上映終了作品】
【第1期 北村皆雄作品特選】
見世物小屋 〜旅の芸人・人間ポンプ一座〜(1997年)
カベールの馬 〜1966年イザイホー〜(1966年)
女が男を守る島 〜神の島 久高〜(1984年)
冥界婚(2016年)
チベット死者の書(1994年)
バナーラス〜生と死の巡礼都市〜(1995年)
修驗 〜羽黒山秋の峰〜(2005年)
花祭り〜愛知県設楽郡東栄町 月〜(1992年)
第1講 失われ行く者たち
2018年 11月10日(土)〜16日(金)
見世物小屋〜旅の芸人・人間ポンプ一座〜
(1997年/119分/カラー/4:3)
かつて各地の祭りの場に忽然と現われ、おどろおどろしい絵看板と巧みなコマシで、不思議で怪しい、恐ろしくも珍しい、面白く物悲しい別世界へと引きずり込んだ見世物小屋。飲んだ金魚を生きたまま釣って出す、飲んだ碁石を黒白分けて出すなど、想像を絶する芸で観客の視線をわしづかみにした「人間ポンプ」こと安田里美さんと、一座9人の見世物小屋興行を内側から記録。それぞれに事情を抱えた芸人たちの芸と人生、その光と闇の世界を捉えた。医者も法律も宗教も救えない人たちを「見世物小屋」が救っている。

【監督】北村皆雄
【撮影】明石太郎・高橋愼二
【語り】麿赤兒
【制作】三浦庸子
カベールの馬〜1966年イザイホー〜
(1966年/28分/モノクロ/4:3)
イザイホーは、琉球王朝の聖地・久高島で十二年に一度午年に行われる神事。
島で生まれ育った30歳から41歳までの女性が、島の祭祀集団に参加する神女としての資格を得るために行う。新しいセジ(霊力)を受け、男兄弟を守護するオナリ(姉妹)神、家・村の繁栄と安全を願う神女として新たに生まれ変わる成巫式である。1966年のイザイホーを題材に、島の始祖神話、オナリ神信仰、御嶽、風葬など神の島の精神文化を、北林谷栄演じる老女が語る幻想紀行。1978年を最後に途絶えたイザイホーの貴重な記録。風葬の撮影が物議をかもした北村皆雄の最初期作品である。

【監督】北村皆雄
【撮影】市川雅啓
【語り】北林谷栄
女が男を守る島〜神の島 久高〜
(1984年/48分/カラー/4:3)
イザイホーは、琉球王朝の聖地・久高島で十二年に一度午年に行われる神事。
島で生まれ育1978年を最後に途絶えた沖縄久高島の成巫儀礼イザイホー。年間30を越す神の島の祭祀を担う神女が新たに誕生しなくなったことから、島の年中行事も遠からず消滅するだろうと予測。1982年から84年にかけて記録に乗り出し、撮影した映像は70時間におよぶ。その一部をテレビ放送用にまとめた作品。年中行事を通して、女が男を守るという「オナリ(姉妹)神信仰」の姿が浮かび上がる。劇場初公開作品。

【監督】北村皆雄
【撮影】柳瀬裕史
【制作】三浦庸子
上映スケジュール
第1講 失われ行く者たち
11/10(土)〜16(金) 10:00〜 見世物小屋 第七藝術劇場(6階)
13:00〜 『カベールの馬』+
『女が男を守る島』
シアターセブン(5階)
【レクチャー 】
★11/10(土)『見世物小屋』10:00の回上映後
 北村皆雄監督 × 鵜飼正樹さん(大衆文化研究/京都文教大学教授)

第2講 生きている死者 死後の願い
2018年 12月8日(土)〜14日(金)
冥界婚
(2016年/1999年撮影/104分/カラー/4:3)
1999年、34歳の韓国人が遠洋漁業で行方不明になった。誤って海に落ちたのか、それとも事件なのか?残された親・兄妹は、ムーダンと呼ばれるシャーマンのグループに依頼し、儀礼を行う。失恋自殺をした27歳の女性の霊魂との死後結婚を執り行い、あの世での幸福を願う。シャーマンの口寄せで来臨した、死者と生者の感情が交錯し、哭きと恨のめくるめく世界が現出する。海辺の仮設テントでムーダンの磨き上げた芸能と共に展開する笑いと涙の物語。韓国東海岸で活躍したムーダン、人間文化財・金石出(キム・ソクチュル)グループの貴重な記録である。2014年セウォル号沈没の悲劇を契機に完成させた。

【監督】北村皆雄
【撮影】毛利立夫
【翻訳】李惠燕
【出演】金石出とそのグループ
【制作】三浦庸子
チベット死者の書
(1964年/37分/カラー/4:3)
生きている者にとって死とは何か? 苦悩に満ちた輪廻転生を、悟りの道程へと転化させるチベットの死の経典「死者の書」は、今も死に臨んだ人の枕辺で唱えられている。チベット仏教が蓄積してきた死への深い洞察〈タナトロジー〉が生者に語りかけてくるものは何か? 読むだけでは難解な「死者の書」の曼茶羅世界を、わかり易く映像化。鳥葬や死の儀式なども収録。これは、チベット密教の世界が近くなる〈観る経典〉である。劇場初公開作品。

【監督】北村皆雄
【監修・構成】田中公明 
【【語り】米倉斉加年
【曼荼羅撮影】高橋愼二
【読経】ニチャン・リンポチェ
バナーラス〜生と死の巡礼都市〜
(1995年/36分/カラー/16:9)
三千年前、悠久の流れガンジス川のほとりに開けたインド最大の宗教都市バナーラス。ここには、誕生の喜びから死の悲しみまで人間のあらゆる喜怒哀楽を受容し、人々に夢と希望を与え、死と苦しみから救ってくれる再生装置、癒しの仕組みが至る所にある。数ある沐浴場の一つアッスィー・ガートを中心に、生老病死のあらゆる節目で繰り広げられる祈りと暮らしを記録。死期を悟った者が最期の時を過ごす〈解脱の館〉や、超俗的な生活を送る修行者たち、巡礼者とそれを相手にする商売人など、様々な人間模様が展開する。劇場初公開作品。

【監督】北村皆雄
【撮影】長谷川元吉・八幡洋一
【監修】宮本久義
【ナレーター】名古屋章
上映スケジュール
第2講 生きている死者 死後の願い
12/8(土)〜14(金) 10:00〜 冥界婚 第七藝術劇場(6階)
13:00〜 『チベット死者の書』+
『バナーラス』
シアターセブン(5階)
【レクチャー】
★12/8(土)『冥界婚』10:00の回上映後
 北村皆雄監督 × 崔吉城さん(韓国文化研究/東亜大学教授/広島大学名誉教授)

第3講 山の精神(スピリット)
2019年 1月19日(土)〜25日(金)
修驗〜羽黒山秋の峰〜
(2005年/115分/カラー/16:9)
人は、死んで山に入り、山を胎内として再生する。このような古代的感覚を色濃く残す羽黒修験は、中世から密教的色彩に彩られ複雑に儀礼を発達させた。その羽黒修験のなかでも、部外者の立入を禁じ、門外不出とされる9日間の秘密の修行「羽黒修験・秋の峰」を史上初めて撮影。出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)を舞台に、生きながら〈死と再生〉〈生まれ清まり〉を体験する修験者の修行が、精緻な世界観と哲学に裏打ちされていることに驚きを禁じ得ない。秘密の儀礼を通して、日本人が山に対して抱いてきた精神世界が垣間見える。全容を後世にむけて記録保存するという目的のために、特別に撮影が実現した。

【監督】北村皆雄
【撮影】高橋愼二・村口徳行・ 毛利立夫・東野良
【語り】浜畑賢吉
【協力】羽黒山荒澤寺正善院
花祭り〜愛知県設楽郡東栄町 月〜
(1992年/76分/カラー/4:3)
中世末期、天竜川水系に成立した大神楽を祖型とする花祭りは、毎年11月から正月にかけて北設楽郡の十数の地区で行われている。天竜川の交通に伴ってこの地を訪れた修験者や御師によって形成・発展したものと思われ、諏訪・伊勢・熊野信仰の影響がうかがわれる。花太夫が聖なる湯によって神仏をもてなす「湯立て」の神事は宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』のモチーフになったといわれる。イニシエーションの意味を持つ青少年の舞、荒々しい鬼たち、翁など、祭りの場には様々なカミが入れ替わり立ち替わり現れる。山の民の祈りの深層にダイブする記録である。山本ひろ子と神語り研究会の調査・研究をもとに映像化。劇場初公開作品。

【監督】北村皆雄
【撮影】明石太郎・村口徳行
【構成・監修】山本ひろ子と神語り研究会
【語り】伊藤惣一
上映スケジュール
第3講 山の精神(スピリット)
1/19(土)〜25(金) 10:00〜 修驗 第七藝術劇場(6階)
13:00〜 花祭り シアターセブン(5階)
★1/19(土)『修驗』10:00の回上映後 レクチャー予定
 北村皆雄監督 × スワンソン・ポールさん(仏教学・宗教学研究/南山大学教授)
★1/20(日)『修験』10:00の回 舞台挨拶予定
 修験道場正善院副住職・長南弘道さん