STAR SAND ─ 星砂物語 ─
みんな、生きなくては ──。
★受賞

2017年/日本=オーストラリア/110分/Hara Office 配給
(c) 2017 The STAR SAND Team

ロジャー・パルバース
坂本龍一
織田梨沙、満島真之介、ブランドン・マクレランド ほか
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全く異なる人生を生きるふたりが、出逢うとき ──
戦時下の沖縄と現代の東京、ふたつの時代と土地を往還しながら描かれる、平和への祈りと未来への希望

1945年の沖縄。戦火から遠く離れた小島で、星砂を集める16歳の少女・洋海(ひろみ)は、洞窟で二人の脱走兵:日本人の隆康とアメリカ人のボブに遭遇する。「戦わない」と決めた日米脱走兵と少女、3人の間に不思議な関係が築かれつつあったある日、隆康の兄の一(はじめ)が洞窟を訪れるが、それは悲劇の幕開けだった。
2016年、現代の東京。大学生の志保は、卒業論文のためにと教授から一冊の日記を手渡される。それは、戦時中に沖縄の小島で暮らしていた少女のものだった……

監督 ロジャー・パルバースの、戦争への反発と日本との出会いによって生まれた映画
本作品の監督は、米国出身で、現在はオーストラリア在住の作家・劇作家・演出家である、ロジャー・パルバース。若き日にベトナム戦争に反発しアメリカを去った彼は、ヨーロッパ諸国を経て日本という極東の国と出会う。日本に住み、日本を行き来する約半世紀のうちに彼は、宮沢賢治をはじめとする日本の文学に出会い、そして日本映画に出会い、さまざまな文化人らとの交友を育んできた。祖国を去って以来、「戦時に“戦わない”という裏切り」を生涯の主題としてきた彼が、初めて日本語で書いた小説『星砂物語』を原作とし、さらに72歳にして初めて監督した「日本映画」……それが、『
STAR SAND ─ 星砂物語 ─』である。

沖縄・伊江島でのロケを敢行、伊江村が全面的に協力
この映画で重要な舞台となるのが、1945年の「戦争の気配すら届かない」沖縄の小島、とりわけ脱走兵の二人が隠れ住む洞窟である。イメージに合う洞窟を探していく中で、いくつもの偶然を経て、監督は引き寄せられるように沖縄県・伊江島のニィヤティヤ洞に出会った。伊江島は沖縄の歴史において、実際には戦争で甚大な被害を被った島でもある。洞窟のみならず、戦争の爪痕を今に伝える史跡・公益質屋跡なども、今回この作品では特別に許可を得て撮影することができた。このようにして誕生した本作品には、伊江村の人々の厚意とともに、平和への願いが強く刻まれてもいる。

監督の想いに共感する俳優らが集まり実現した、奇跡のキャスティング
ヒロイン・洋海(ひろみ)役を演じるのは、映画『秘密 THE TOP SECRET』で大友啓史監督に大抜擢されスクリーンデビューを果たした織田梨沙。流暢な英語を操り、時に感情をむき出しにする役どころを、物怖じすることなく演じている。
脱走兵・隆康役には、沖縄出身の満島真之介。彼は真摯に役と向き合い、この両義性ある複雑な人物像に息を吹き込んだ。また、もう一方の脱走兵・ボブに扮しているのは、オーストラリアの実力派若手俳優、ブランドン・マクレランド。監督のいわば分身ともいえる、戦いを拒否して軍を抜けた若者を、深い理解をもって演じきった。さらに、隆康の兄・一(はじめ)役の三浦貴大は、重傷を負って除隊した皇軍兵士の栄光と狂気、破滅を体現する人間を熱演。そして、現代を生きる女子大生・志保役には吉岡里帆。戦時のことなどに思い至ることもない、今どきの若い女性が、一冊の日記によって変化・成長するさまを瑞々しく演じている。
才能きらめく若手俳優たちの出演に加え、彼らを確かな演技で受け止めるベテラン俳優陣たちにも、日本国内のみならず世界でもその実力が認められている豪華な顔ぶれが揃った。戦争で娘を失った女性・儀間役には寺島しのぶ。母親としての悲しみと憤りの感情が、激しく哀切に表出されるシーンは、まさに彼女にしか演じられないものとなっている。また、洋海の隣人・吉上を演じた渡辺真起子は、詮索好きに見えてその実、洋海を心配し気にかける優しさを包容力を感じさせつつ演じてみせた。
現代のパートでは、大学教授・城間を石橋蓮司が演じ、志保の成長のきっかけを与える役どころを、コミカルさも漂わせながら円熟の味わいで見せている。そして、全ての鍵を握る人物を演じた緑魔子は、封印してきた過去に向き合おうとする女性の強さと弱さを表現した。
9人の俳優らの確かな演技は、いずれも余韻をもって深く心に響く。

主題曲を『戦場のメリークリスマス』以来の旧友・坂本龍一が担当
映画『戦場のメリークリスマス』では、大島渚監督の助監督として、俳優とのコミュニケーション役や台詞指導などを担当し、国際合作の要となる一員だったロジャー・パルバース。彼は、この『
STAR SAND ─ 星砂物語 ─』もまた、『戦メリ』の小さな姉妹篇のような作品にしたいという想いを強く抱き、主題曲を『戦メリ』当時から長らくの友人である作曲家・坂本龍一に依頼した。坂本はこの作品のテーマに深い理解を示し、美しい旋律をこの映画のために生み出してくれている。


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